残るのはネットワーク統合型チップぢゃない。ネットワーク唯心論的指向に基づいた,チップだ。
インテル社のポール・オッテリーニ社長兼COOが来日し,インテル・マネジメント・セミナーで講演した。オッテリーニ社長は,コンピュータと通信機器が融合していくという展望を示し,あらゆる機能をチップに統合していくという同社の取り組みを強調した。
携帯電話,という存在はなくなる。IPというプロトコルから逸脱した音声通話という存在は,もうすでに必要性を失っている。IP網以外の独自通信・電波環境は必要ない。テレビ・ラジオという存在も,IP以外の場所に生きる場所などはない。現在行われようとしている地上波デジタル化なども無駄でしかない。なぜか? すべての機器にIP網へのネットワークアクセスの機能が付き,それだけに端末のコストダウンなどのメリットが生じるのに,それ以外の通信・電波を使うことなど無駄が多いだけだからだ。
パソコンという存在も同じだ。「IP網への統括」が,より起こる。ローカル,という概念がなくなり,すべてがネットワーク上に存在する。データも,ソフトウェアも,ハードディスクも,メモリも,CPUも,すべて。インテルはプロセッサ・チップはローカルにあると思っているかもしれないが,残るのはネットワークチップ・オンリーでいい。CPUは世界中に散らばって存在していればいいんだ。絵空事を云っているんぢゃない。すぐ,あしたのことだ。そしてあさってには,人間と云う存在自体,ネットワークに解き放つときが来る,来るんだ。
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